防災の日に準備するグッズ一覧|消防士が教える本当に必要なもの

9月1日は防災の日。ニュースを見て「そういえば、うちの備えはどうだったか」と思い出す日でもあります。
ところが、いざ準備しようとすると「結局、何をそろえればいいのか」で手が止まります。この記事では、防災の日に準備しておきたいグッズを持ち出し袋・自宅の備蓄・家の中の安全対策の3つに分けて一覧にし、30分あれば終わる準備の手順までお伝えします。
こんな人におすすめ
- 防災の日をきっかけに、何から準備すればいいか知りたい方
- 防災グッズは買ったものの、これで足りているのか不安な方
- 持ち出し袋に入れるものと、家に置いておくものの分け方が分からない方
- 数年前にそろえたきり、中身を見ていない方
- 家族の人数に合った量を知りたい方
目次
結論:防災の日にやることは「そろえる・点検する・置き場所」の3つ
先に結論をお伝えします。防災の日にやることは、たった3つです。買い足すことから始めると、たいてい途中で止まります。順番のほうが大事です。
防災の日にやる3つ
- そろえる:持ち出し袋・自宅の備蓄・家の中の安全対策の3分類で、まるごと抜けている分類を埋める
- 点検する:すでにあるものの期限と電池を見る。買い足すより先にこちら
- 置き場所を決める:玄関に持ち出し袋、押入れに備蓄。すぐ取り出せない場所に置かない
防災グッズがそろわない一番の理由は、量ではなく分類の抜けです。持ち出し袋だけ立派で自宅の備蓄がゼロ、あるいは食料は3日分あるのに家具が固定されていない。どれか一つが抜けていると、そこから崩れます。
なお9月1日が防災の日になっているのは、1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が起きた日にちなんでいます。年に一度、家じゅうの備えを見直す日として使うのがいちばん実用的です。
防災の日に準備するグッズ一覧【3分類チェックリスト】
ここが本題です。防災グッズを「持ち出し袋(すぐ逃げるためのもの)」「自宅の備蓄(家で生活を続けるためのもの)」「家の中の安全対策(そもそもけがをしないためのもの)」の3つに分けて一覧にしました。上から順に確認して、家にないものだけ書き出してください。
| 分類 | 品目 | 目安の量 | ここがポイント |
|---|---|---|---|
| 持ち出し袋 (すぐ逃げる) | 飲料水(小さいペットボトル) | 1人500ml×2〜3本 | 2Lは重くて走れない。小分けが正解 |
| そのまま食べられる食品 | 1人1日分 | 火も水も使わずに食べられるものを | |
| 携帯トイレ | 1人5回分〜 | 避難先で最初に困るのがこれ | |
| 懐中電灯・モバイルバッテリー | 各1 | 電池を入れっぱなしにしない | |
| 常備薬・お薬手帳の写し | 3日分〜 | 薬は代わりが手に入りにくい | |
| 笛・小銭・身分証のコピー | 各1 | 笛は声が出せないときの命綱 | |
| 手袋(軍手より切り傷に強いもの) | 1人1双 | ガラス片・金属片をよける最初の道具 | |
| レインコート・タオル・ポリ袋 | 各1〜2 | 雨具は防寒にもなる | |
| 自宅の備蓄 (家で過ごす) | 飲料水 | 1人1日3L×3〜7日分 | 一般に最低3日分、可能なら1週間分が目安 |
| 主食・缶詰・レトルト | 3〜7日分 | 普段食べているものを多めに買う | |
| カセットコンロ・ボンベ | ボンベ6〜9本 | 湯が沸かせるだけで食事の幅が変わる | |
| 簡易トイレ | 1人1日5回×日数 | 断水すると水洗は使えない | |
| 乾電池・ラジオ | 各予備込み | 停電時の情報源はラジオが確実 | |
| ウェットティッシュ・ポリ袋 | 多めに | 洗えない期間の衛生を支える | |
| 家の中の安全対策 (けがをしない) | 家具の転倒防止金具 | 背の高い家具すべて | 寝室と出口の家具を最優先で |
| ガラス飛散防止フィルム | 窓・食器棚 | 割れたガラスが最大のけが要因 | |
| 寝室に置く靴・スリッパ | 1人1足 | 暗い中を裸足で歩かないために | |
| 消火器・避難場所の確認 | 各1 | 家族で場所を口に出して共有する |
量の目安は一般的に言われている数字で、家族構成や住まいによって変わります。全部を今日そろえる必要はありません。3分類のうち、まるごと抜けている列を一つ埋めるだけでも備えの形は大きく変わります。
持ち出し袋の中身をもっと細かく決めたい方は、こちらもあわせてどうぞ。
【関連記事】防災リュックの中身は消防士監修|おすすめ必須アイテムと選び方リスト
持ち出し袋に入れる?家に置く?迷ったときの分け方
「この品物はリュックに入れるべきか、家に置くべきか」で迷う方は多いです。判断の軸は5つだけです。
| 判断の軸 | 持ち出し袋に入れる | 家に置いておく |
|---|---|---|
| 目的 | 家から出て逃げるため | 家にとどまって生活を続けるため |
| 使う時間帯 | 発生から数時間〜1日 | 発生から数日〜1週間 |
| 重さの基準 | 背負って走れる重さまで(男性15kg・女性10kg程度が上限の目安) | 重さは気にしなくてよい |
| 量 | 1日分 | 3〜7日分 |
| 置き場所 | 玄関・寝室のすぐ手に取れる場所 | 押入れ・床下・分散して複数箇所 |
迷ったときは「これがないと逃げられないか」で判断してください。逃げるのに要るなら持ち出し袋、生活に要るなら自宅の備蓄です。水と手袋とライトは前者、カセットコンロと簡易トイレの大量ストックは後者になります。
なお備蓄は1か所にまとめないほうが安全です。台所が使えなくなっても、押入れや車のぶんが残ります。
30分でできる防災の日の準備【4ステップ】
防災の日に丸一日かける必要はありません。この順番なら30分で終わります。
ステップ1:いま家にあるものを、全部出す
買い物に行く前に、まず現状を見ます。押入れの奥、玄関のクローゼット、車のトランク。防災用として買ったものを全部、床に並べてください。ここを飛ばして買い足すと、同じものが3つ出てきます。
ステップ2:期限と電池を見る
並べたら、日付と電池だけを見ます。食品の期限、電池の液漏れ、モバイルバッテリーの残量。この3点で、使えないものがはっきりします。

保存水は期限の年月をラベルにして貼っておくと、次回の点検が数秒で終わります。
期限の見方や点検の頻度を詳しく決めておきたい方は、こちらもどうぞ。
【関連記事】備蓄品の消費期限チェック頻度|期限切れを防ぐ点検のやり方
ステップ3:足りないものだけ、書き出して買う
前のセクションの一覧表と見比べて、家にないものだけをメモします。防災グッズのセット品を丸ごと買い直す必要はありません。足りないのはたいてい、簡易トイレ・携帯トイレ・手袋・電池のどれかです。
ステップ4:置き場所を決めて、家族に伝える
最後がいちばん大事です。持ち出し袋は玄関か寝室のドア近くへ。備蓄は複数箇所へ分散。そして置き場所を家族に口で伝えてください。用意した本人が家にいないときに使えなければ、備えていないのと同じです。
何をどれだけ備えればいいか、そもそもの量が決まっていない場合は、家族の人数から必要量を計算できる無料ツールも用意しています。
【関連記事】防災備蓄は何日分?家族の人数で量が一瞬でわかる無料ツール
あなたの家はどのタイプ?
同じ「防災の日の準備」でも、最初にやることは家の状況で変わります。近いものを選んでみてください。
タイプA:ほとんど何も準備していない
- 防災グッズと呼べるものが家にない、または懐中電灯だけというタイプです
- いきなり全部そろえようとすると、金額に驚いて止まります
- → まず持ち出し袋を1つ作る。水・食品・携帯トイレ・ライト・手袋の5点から
タイプB:買ったまま、数年開けていない
- そろえた記憶はあるが、最後に開けた日を思い出せないタイプです
- 買い足しより先に、期限切れと電池の液漏れが出ている可能性が高い状態です
- → 今日は買い物に行かず、全部出して期限と電池を見るところまで
タイプC:そろえているが、量が合っているか不安
- 備えはあるものの、家族の人数に対して足りているか分からないタイプです
- 感覚で足していくと、水だけ多くてトイレがない、という偏りが起きます
- → 人数と日数から必要量を数字で出して、不足分だけ埋める
もっと正確に診断するなら
家族の人数と備蓄したい日数を選ぶだけで、必要な備蓄量を自動計算する防災備蓄チェッカーがあります。LINE公式アカウントを友だち追加すると、20%OFFクーポンや備蓄の見直し時期のお知らせも受け取れます。
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見落とされやすい「手を守るもの」
防災グッズの一覧を見ていると、水と食料と明かりの話は必ず出てきます。ところが、最後まで思い出されないのが手を守るものです。
WARAIGAOの商品を監修した消防士の「たすく」は、現場でこう感じたと話しています。「消防士として現場に駆けつけた震災直後、倒壊した家屋から自力脱出を試みた方の多くが手を深く傷つけていました」。
助けが来るまでの時間、そこにいる人は自分の手で動くしかありません。ドアをこじ開ける、落ちた棚をどける、割れたガラスの上を進む。そのとき素手だと、逃げる前に手を使えなくしてしまう——これが、リストに手袋が載っていてほしい理由です。

防災用品をまとめる作業そのものにも手袋は役立ちます。箱の角や金具で手を切る作業だからです。
選び方は難しくありません。ポイントは3つです。
- 切り傷への強さが分かるもの(EN388という欧州規格の表示が一つの目安)
- 持ち出し袋に入れてもかさばらない厚みのもの
- 家族の人数ぶんあること。1双を取り合うことになりません
地震や台風のあとの片付けで、実際に何が手を傷つけるのかを知りたい方はこちらもどうぞ。
【関連記事】台風・地震の後片付けで手を切る前に。ガラス片・瓦礫から守る手袋の選び方

正直なデメリット
ここまでの内容にも、先にお伝えしておきたい弱点があります。
一覧を全部そろえると、それなりの金額になる
3分類をすべて満たそうとすると、家族4人で数万円規模になります。一度にそろえる必要はありません。防災の日は「抜けている分類を一つ埋める日」と考え、翌年の防災の日に次の分類を埋める。年1回のペースでも3年で形になります。
そろえた瞬間がいちばん充実していて、あとは劣化していく
防災グッズは買った日が満点で、そこから期限切れと電池切れで少しずつ減点されていきます。だからこそ、買う日より点検日のほうが大事です。9月1日と1月17日をカレンダーに書いてしまってください。
量の目安は、住まいや家族構成で変わる
この記事の数字は一般的な目安です。乳幼児・高齢の家族・持病のある方がいる場合、必要なものは大きく変わります(粉ミルク、おむつ、常備薬、入れ歯洗浄剤など)。一覧はたたき台として使い、家庭ごとの事情は必ず足してください。
手袋は「切り傷対策」の道具で、万能ではない
WARAIGAOの防刃手袋はEN388という切り傷への強さの規格に対応していますが、対応しているのは切り傷までです。とがったものが刺さるけが、熱いもの、電気を扱う作業には対応していません。火や熱いものを扱う場面では耐熱グローブなど、用途を分けてお使いください。
費用をおさえてそろえたい方は、こちらもあわせてどうぞ。
【関連記事】防災グッズは100均で足りる?揃うもの・足りないものリスト
よくある質問(6問)
まとめ
この記事のまとめ
- 防災の日にやることは「そろえる・点検する・置き場所を決める」の3つ
- グッズは持ち出し袋・自宅の備蓄・家の中の安全対策の3分類で確認する
- そろわない原因は量ではなく、分類がまるごと抜けていること
- 持ち出し袋は1日分、自宅の備蓄は3〜7日分。水は1人1日3リットルが基準
- 迷ったら「これがないと逃げられないか」で持ち出しか備蓄かを決める
- 買い足しより先に、いま家にあるものを全部出して期限と電池を見る
- 最後に置き場所を決めて、家族に口で伝えるところまでが準備
今日できることは一つだけです。押入れを開けて、防災用として買ったものを全部、床に出してみる。そこから先は、足りないものが自分で教えてくれます。


